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仕事がしんどいのはなぜ?あなたの仕事がラクにならないワケ|【書評】高校生からわかる「資本論」(池上彰)

高校生から分かる資本論|仕事がいつまでたってもラクにならないワケ
悩める男
悩める男
「毎日会社に行って一生懸命働いているけれど、正直しんどい。給料は生活費に消えて、お金も貯まらなくて将来が不安。どうしてこうなるんだろう。」

今回は、こういった悩みや疑問を解決してくれる本をご紹介します。

本書は、カール・マルクスの「資本論」を、高校生でも分かるよう非常に分かりやすく解説した一冊。

著者は、社会で起きているニュースを分かりやすく解説することで定評のある、池上彰さんです。テレビでもよく見かけますよね。

本書のエッセンスをまとめるとこうなります。

「資本家(会社)は、労働者の健康を害さない程度にこき使って、できる限り利益を得ようとする」

本書を読めば、会社で雇われて給料をもらう、労働者という身分が、どうしてしんどいのか、その仕組みがよく理解できます。

その結果、社会の中で、より有利な立場になるよう舵を取ることも可能になるでしょう。働き方を考えるいいきっかけになるかもしれません。

働いても生活がラクにならずしんどいのは、残業が足りてないからでもなければ、あなたが無能だからでもありません。

その理由は、労働者は資本家(=会社)に搾取されるという仕組みが、資本主義社会の構造としてあるからです。

この記事では、本書のエッセンスをご紹介します。

どうぞご参考にしていただき、本書も手に取って読んでみてください。

社会人必見の書です!

商品の価値は労働によって決まる

労働によって商品の価値が決まる。商品の価値は、そこに含まれている労働の量によって決まる。(P.59引用)

商品の値段がどうやって決まるのか、考えたことはあるでしょうか?

それは、その商品を作るためにどれだけの労働力が必要かで決まる、というのが資本論の主張です。

車という商品を例に考えてみましょう。

車を作るためには、鉄やタイヤといった素材を集めて、工場の機械で加工するというのが基本的な生産過程です。

車を作るのに必要なもの
  1. 鉄やタイヤなどの素材
  2. 工場
  3. 組み立てるための機械
  4. 機械を操作するための人間

単純化するとこういった感じです。

商品の価値が労働力で決まるというなら、④の人の給料が商品の価値ってこと?

それだけではありません。

①~③の鉄やタイヤといった素材、工場、機械も、それを作るためには素材を集めて加工する手順が必要になりますよね。

タイヤなら、樹脂が出る木を切って固めて、という人間の労働が必要です。

なので、商品を作るためには、素材(=商品)を集めて加工する必要がある。その素材も元は商品で、人の労働があってこそ作られたもの。

こういうわけで、商品の価値は、それを作るのにどれだけの労働が必要かで決まる。ということになります。

資本論ではさらに、労働量=労働時間としているので、

それを作るために多くの労働時間が必要であればあるほど、その商品の値段は高くなる。

ということになります。

当たり前のようですが、あらためて考えると、「商品の値段ってこうやって決まるのか」と腑に落ちて、とても面白いですよね。

給料は最低限の健康を維持するために与えられるもの

労働力の価値というのは、労働者が翌日も元気になってその工場にやってきて働けるようにする、そのためにかかる費用なんだよ。(P.116引用)

商品の値段がそれを作るのにかかる労働力(=労働時間)だということは分かった。

資本論では、労働力も商品のひとつだと言っています。商品には当然値段がついているはずです。

でも、その労働力の値段=給料ってどうやって決まるか、考えたことありますか?

それは、「労働者が翌日も元気になってその工場にやってきて働けるようにするための費用」です。

つまり、給料というのは、最低限の「衣食住」にかかる費用ということになります。

会社は、僕たち会社員の労働力を買っています。

会社は利益のために、本当のところは労働者にぶっ続けで働いてほしいけど、人間だから当然疲れます。

そこで会社は、

「これで疲れを回復して、明日も元気で会社に来て働いてください。」

と言って、給料を渡します。

働けば働くほど人間は疲れる、つまり、それだけ回復するためには時間と経費がかかる。

だから、労働時間が長くなれば、もらえる給料も多くなります。

夜の残業代が昼よりも単価が高いのは、そっちの方が疲れるし、回復に時間がかかるからという理由です。

また、一般に年齢が上がれば上がるほど、給料が上がっていくのは、年齢が上がるほど、結婚して、子供や妻を養ったり、新しい家を建てたりするのにお金がかかるからです。

給料が少ないと家族を養っていけず、家庭が崩壊して会社にも来れなくなる。会社としてはそれでは困る。だから家族が増えた分、給料も上げようということです。

結局は資本家あってこそ労働者の給料が決まる。孫悟空がお釈迦様の手の平から外へ飛び出すことができなかったように(P.235引用)

ただ、会社はできる限り自社の利益を上げようとするので、労働者に渡す給料もなるべく少なくしたいと思っています。

そこで、明日も元気に働いてもらうための、最低限の給料だけを渡そう、というところに落ち着いてくるわけです。

高級料理を食べたり、キャバクラに行ったり、豪邸を立てたり、世界旅行に行ったり、そういう贅沢は、最低限の生活費以上のお金なので、そんなの必要ないでしょ、というのが会社側の考え方です。

会社は利益のためにあなたを都合のいいように利用する

経済が発展するにつれて雇わなければいけない労働者の数は相対的に減ってくる。減ってくるってことは、働きたいって人がいても「いや、あなたは必要ありませんよ」と言われる。(P.242引用)

経済が発展するにつれて、商品を効率的に生産するための機械設備が導入されるようになります。

そうすると、いままで労働者の手でやっていたことを機械が代わりにしてくれるようになって、労働者はいらない、という現象が生まれます。

会社は利益を増やすことが最優先なので、リストラをしたり求人を減らしたりします。

そうすると、働きたいけど雇ってくれる会社がないということで、失業者が出てきます。

こういうとき会社は強気ですね。すごく自分勝手になる。

会社は、労働者の手が必要になった時は、派遣労働者を雇って、不要になれば切るということを平気でするようになります

働きたい人はそこらじゅうにいるんだから、不満ならやめればいいというわけですね。

整理するとこういう流れになります。

労働者が搾取されるまでの流れ
  1. 会社は労働者を雇って商品を作る。
  2. 商品を売ってもうける。
  3. もうけたお金で、商品を効率よく作るための機械を導入する。
  4. 労働者がいらなくなって、失業者が増える。
  5. 会社は都合のいいように労働者を扱いだす。
  6. 給料が減ったり、労働環境が悪くなる。

マルクスの資本論では、この後、マグマのように溜まった労働者の不満が爆発して、革命を起こすことで資本主義が崩壊して、社会主義が実現する。

という構想が描かれています。

しかし、歴史をみると、旧ソ連や東ヨーロッパで社会主義が誕生しましたが、結局は失敗に終わってます。

ですので、今資本論を読む理由は、社会主義を実現すべきという思想を得るためではありません。

資本論を読むべき理由は、

資本主義社会の仕組みがとてもよくわかるから。

これに尽きます。

その結果、労働者は資本家に搾取される立場にあるということがよくわかって、働き方を考えるうえで、とても参考になります

 

このことを踏まえたうえで、資本主義社会における賢い立ち回り方について記事にしていますので、参考にしてみてください。

まとめ|お金のメモ帳

ここまで読み進めていただきありがとうございました。

本書について、少しでも参考になれば幸いです。

最後にまとめておきます。

お金のメモ帳
  • 世の中の商品の値段は、それを作るための労働時間に比例する。
  • 会社は、労働者の給料を最低限の生活費まで押し下げようとする。
  • 会社は自分たちの利益のために、労働者を都合のいいように扱う。

 

かえるのぷぷ
かえるのぷぷ
この本を読めば、お金について勉強できるよ。ぜひ読んでみてね。